「ただいま、だよ〜 」
玄関の方から緊張感のない声が聞こえた。どうやら名雪が帰ってきたらしい。
「う〜 、今日も部活でくたくただよー」
そう言いながらもあまり疲れた様子もなく、自分の部屋に入ろうとする名雪。
俺は廊下に出て、そんな名雪を呼び止めた。
「名雪、ちょっといいか?」
「あれっ、祐一。もう帰ってたんだ。今日は珍しく早いね」
「ああ、ちょっと訳ありでな。それよりちょっと話があるんだが」
「うーん、部活で汗かいちゃったから、先に着替えたいんだけど…」
「まあまあ、すぐ終わるって」
「うん、それならおっけーだよ」
名雪に続いて部屋に入る俺。相変わらず他愛もなく引っかかるのう。
「それで用事って一体何……きゃっ!」
部屋に入るやはいるや否や、名雪に襲い掛かる俺。
ちなみに股間の息子は既に準備完了状態である。
「わっわっわっ、いきなり何するんだよ、祐一!」
いきなりベッドに押し倒されて驚く名雪。恋人同士になったあとでも反応が初々しいねえ。
「ダメだよ祐一…お母さんや真琴が帰ってきたら大変だよ…」
「うむ、それなら大丈夫だ。秋子さんは遅くなるって昨日言ってた。真琴は天野の家にお泊りだ」
「…祐一…計画的犯行だね」
非難を込めたジト目で俺を見る名雪。
いやだなあ、もちろん計画的犯行に決まってるじゃないか。
「しばらく試験やら何やらで可愛がってやれなかったからな。名雪も溜まってるだろ」
「うー…わたしそんなにHな娘じゃない…」
「そんなこというのはこの口かな〜」
強引に名雪の唇をふさぐ。しばらくはじたばたしていたが。やがて体の力が抜け、
とろんとした目になる名雪。うむ。下ごしらえは完成といったところですな。

「それでは…いただきまーす♪」
すぽぽぽぽん!(ルパン式空中脱衣術実行中)
「わっ…いつの間にか服まで脱いでるし…」
改めて名雪の制服を脱がしにかかる俺。
まあ着たままというのもそれはそれで趣があってよいのだが。
「うー…せめてシャワーくらい浴びたいよ…部活で汗かいちゃってるのに…」
「いや、俺的には全然OKだ。むしろこのほうが好もしくすらあるな」
「…祐一…それじゃ変態さんだよ…」
軽口を叩きつつも、手際よく上着を脱がし、スカートも脱がす。
そしてブラウスに手を掛けたところで、何故か急に名雪が暴れだした。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って、祐一!やっぱり今日はダメだよ!」
「今更往生際が悪いぞ、名雪。もうお前も準備OK状態だったろうが」
「うー…そうだけど…とにかく、ダメダメ!今日だけは絶対ダメなんだよっ!」
本気で抵抗する名雪。俺はあまりの激しさに手を止め、まじまじと名雪を見つめた。
「…そこまでイヤがるということは…生理か?でも先週末には終わってるはずだしなあ…」
「わーっ、何でそんなこと知ってるんだよっ、祐一!」
真っ赤になる名雪。隙ありっ♪
「とうっ!」
素早くブラウスを剥ぎ取る俺。ついでにブラまで抜き取ってしまう。
この手際の良さは長年の修練の賜物だな(おい)
「わあっ!」
慌てて両手で胸を隠す名雪。ん…今何か違和感を感じたような…

「名雪、お前何か隠してないか?」
「えっえっえっえっ…祐一ったら、そんなことあるわけないよ〜」
「実は胸をパットで底上げしてたとか」
「…さんざん揉んだことあるくせに…」
「実は母乳が出るとか」
「…わたし時々祐一の思考についていけなくなるよ…」
「ま、とりあえず手どけてみ」
「え〜っ!ダメダメダメ、絶っ対にダメ!!ほら、胸見られるのって恥ずかしいし…」
「今更胸くらいで恥ずかしがるような仲かっつーの。あんなところやあんなところまで見せておいて」
「わ〜っ、祐一のHっ!じゃ、じゃあちょっと待って。やっぱりシャワー浴びてくるから」
あくまでしらばっくれようとする名雪。しかし、俺の好奇心はレッドゾーンに達していた。
「名雪」
「えっ」
「お前やっぱり何か隠してるだろ」
「そ、そんなことないよ〜」
「あっ!秋子さん!!いつの間に帰ってたんですか!?いや、これはその…」
「ええええええええええっ!!」
驚愕のあまり硬直する名雪。ふっ、まだまだ修行が足りんな。
「ごめん、見間違いだわ」
一瞬の隙を逃さず、名雪の両手首を掴み、バンザイの格好になるように両腕をベッドに押し付ける。
そして……俺の目は点になった…
ほっそりとした手首、白く柔らかな二の腕、そして、腋の下にほのかに煙る薄い茂み…
…腋の下にほのかに煙る薄い茂み?
「……」
「……」
思わず名雪と目が合う。一瞬、確かに時間が止まった。
そして時は流れ出す…

「うわああああああん!」
大声で泣き出す名雪。焦る俺。名雪がこんなに泣くのを見るのはいつ以来だっけ…
「すっ、すまんっ!名雪!」
慌てて謝る俺。しかし既に時遅し。
「ひっく…祐一のバカーーっ!!」
必死にフォローの文句を探す俺。
「いや、なんつーかその…そうだ、しっとりサラサラしてて、とっても可愛らしい腋毛だぞ」
うむ。我ながらナイスフォロー。
「ぐすっ…そんなの褒められても嬉しくないよ〜…祐一なんか死んじゃえー!」
まずい。何故か逆効果だったらしい…しかし一体どうすれば…
「…ひっく…祐一、こんなわたし嫌いになっちゃったよね…」
「えっ…」
「…こんなずぼらな女の子、嫌われても仕方ないよね…」
「名雪…」
すすり泣く名雪。
その姿を見ていると、何故かいたたまれないような気分になってくる。
俺は自分の無神経さを呪いながら、名雪を優しく抱きしめた。
「ごめん、名雪。たとえ何があっても、俺はお前の全部が好きだぞ」
「祐一…」
名雪は少し身体を強張らせたが、しばらくすると体重を俺のほうに預けてきた。
そしてゆっくりと時が流れる。

先に口を開いたのは名雪のほうだった。
「ぐすっ…祐一…ごめんね…」
「いや、悪かったのは全面的に俺のほうだ。無神経なことして済まなかったな」
「…祐一…」
「…すまん」
おそるおそる名雪のほうを見る。視線の先には、いつもの名雪の笑顔があった。
「ううん、もう気にしてないよ。最近ご無沙汰だからって、手入れを怠ってたわたしも悪いんだしね」
俺は、その笑顔に心の底から安堵している自分に驚く。名雪…本当にごめんな…
「うむ。女としての恥じらいを忘れてはいかんな。人間油断は禁物だぞ」
「う〜…そんなこと言うなんて、ひどい〜ひどい〜」
俺の照れ隠しにいつも通りの反応を返してくる名雪。二人の間に甘い空気が流れる。
…この雰囲気なら上手くいくかも…
「…ところで名雪」
「なに、祐一?」
「せっかくだから、もう一回見せてもらえないか?」
「えええええええっ!…い、嫌だよ…恥ずかしいよ…」
「そんなことないよ。俺は名雪の全てを知りたいんだ。駄目か?」
とびっきりのシリアス顔で迫る俺。無論、名雪がこの顔に抵抗できないのは承知の上だ(外道)

「…あんまり、見たら嫌だよ…」
両腕を頭の上で組んだ格好で、顔を真っ赤にして訴える名雪。
無論このポーズも俺のリクエストだ。
「……」
「…じっと見られると、恥ずかしいよ…」
まじまじと見つめる俺。
陽光の下にさらされることの少ないその場所はあくまでほの白く、そこに煙るように生えている
柔らかな和毛は、ともすれば産毛と勘違いしかねないほどの控えめな自己主張しかしていない。
しかし、その微妙なコントラストは、俺の視線を捕らえて離すことがなかった。
「…うー、まだ〜?わたし、ものすご〜く恥ずかしいんだよ…」
泣き出しそうな名雪の声に我に帰る俺。
「…名雪…いいぞ…」
「えっ?」
「これは俺的にはありだ。いや、むしろ激燃えと言っても過言ではないな」
「…祐一、その発言は本っ気で変態さんっぽいよ…」
「いや、いつだって俺は本気だ。というわけでもう我慢の限界だ」
そういうと俺は偉そうにふんぞり返った息子を誇示しつつ、じわじわと名雪に迫る。
「えーっと、祐一…じょ、冗談だよね…」
愛想笑いを浮かべながらベッドの上を後ずさる名雪。かまわず追い詰める俺。
「と、いうわけで、名雪…」
「…うー…」
「もう辛抱たまらんのじゃあああああ!!」

同時刻、水瀬家某所にて。
「…これも一つの愛の形かも知れませんね…」
軽い頭痛を感じる秋子さんであった。

おしまい。このSSに関する文句・苦情・呪詛のたぐいは、高野山金剛峰寺に向けてお願いします。



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